コンテンツの開始

乱流抵抗低減に関する研究

リブレットによる乱流抵抗低減に関する研究

 溝間隔が壁単位で10程度の微小溝(リブレット)は乱流摩擦抵抗を減らします.乱流抵抗の低減効果は溝の断面形状やスパン方向の波打ちに依存しますが,溝間隔に対する抵抗低減率の変化は同様で,粘性域(Viscous regime),最適域(Optimal regime),粗度域(Roughness regime)で特徴付けられます.
 一般に用いられるリブレットでは,リブスパン間隔が壁単位でs+≤10-15の粘性域では,溝内部の流れは粘性により準層流状態が保たれ,抵抗低減量は溝間隔に比例して増加します.溝間隔が大きくなると抵抗低減量の増加は緩やかになり(Viscous breakdown),s+ ≈ 15-20で飽和します(最適域). さらに溝間隔を増すとリブレットは“粗さ”として作用し,乱流抵抗は滑面の場合を上回ります(粗度域).
 本研究では,高性能なリブレット形状の創出を目標に,抵抗低減量が最大となる最適溝間隔前後のリブレット壁近傍の乱流構造と抵抗低減効果の関係について実験的に調べています.

 
 

乱流チャネル風洞(左)とリブレット上のと熱線レイク(右)

 


熱線レイクによる壁乱流構造の違い(s+=21,y+≈5).(a)滑面,(b)直線リブレット,(c)波状リブレット.