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流れの制御に関する研究

壁面温度分布による抵抗低減に関する研究

 水平におかれた二次元平面壁の下面を加熱すると,隙間(スロット)で浮力による熱対流が生じます.壁面を一様に加熱するとレイリ-・ベーナル(RB)対流による規則的なロールが生じますが,加熱強さ(レイリー数)を増すとロールは崩壊し,乱流へと遷移します.これに対し,本研究では,規則的な温度分布による流れの制御に着目しています.上面を一様等温に保ち,下面を二次元周期加熱(上面温度を挟んで加熱・冷却)すると,加熱冷却に対応した定在対流ロールが生じます(図左).これに右向きの流れ(平面ポアズイユ流れ)を与えると,水平流れはロールに沿うように大きく蛇行します.このとき,ロールは流れを後押しする方向に回転し,壁面では流れ(抵抗)と反対方向のせん断力が生じます.これによって,流路内の抵抗は約8%減少します.このロールは,RB対流の臨界レイリー数を10倍以上超えても実現されます.

周期加熱壁を有する水平チャネル流れ.Re=0(中央),Re=7(右).